地球温暖化対策 >
地球を冷やせ!

地球を冷やせ!

地球温暖化ガスの排出量削減だけでは効果に限りがあるため、さまざまな科学者が「地球工学的」な地球温暖化防止策の研究を重ねています。

その一つが、成層圏への硫黄注入。

この方法を提唱したのは、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェン氏。

大量の硫黄粒子が大気中に放出される火山爆発にヒントを得たといいます。

爆発後、太陽光線を遮断する働きを持つ硫黄が、現場周辺の地表温度を下げていたというのが端緒。

しかし、この方法に対して、最近疑問の声が上がっています。

米研究チームが科学誌「サイエンス」のウェブ版「サイエンス・エクスプレス」に2008年4月24日掲載した研究結果によると、地球温暖化防止対策として提案されている硫黄粒子を地球の成層圏に注入する手法が、かえってオゾン層の著しい破壊を招くことがわかったといいます。

高度約10〜50kmの成層圏への硫黄粒子注入は、北極上空のオゾン減少を招き、オゾン層ホールの修復を数十年単位で遅らせる危険性があるとのこと。

今回の研究チームはコンピューターシミュレーションにより、大量の硫黄粒子を定期的に大気中に人工注入することで、地表温度が実際に低下するかどうかを調査。

その結果、大量の硫黄注入が数十年間にわたり北極上空のオゾン層を約25〜75%破壊すること、北極上空のオゾン層ホールの修復を30〜70年程度遅らせることが判明。

大量の硫黄注入により、南北両極上空の冷層に存在する塩素ガスが活性化、これがある種の化学反応を引き起こし、オゾン層を破壊するらしいのです。



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