盛岡の桜(ソメイヨシノ)の開花が過去55年で約5日、ニホンタンポポも約4日早くなっていることが2008年4月21日、盛岡地方気象台のまとめで分かりました。
地球温暖化や都市化による気温上昇が要因とみています。
地球温暖化による自然界の変化が表れ始めている現象ともいえ、岩手県地球温暖化防止活動推進センターなどは二酸化炭素排出量削減のための呼び掛けを強化しています。
同気象台は1953年から桜、タンポポなどの開花の観測を開始。
年ごとにばらつきはあるものの、2008年までを線形近似曲線で見ると、桜は観測開始当時から約5日も開花が早くなったとのこと。
桜の開花に関連する2〜4月の気温が1度前後上昇していることが影響していると推測しています。
2008年の開花は4月12日と平年より11日も早く、観測開始以来2番目に早かったそうです。
同様にニホンタンポポの傾向をみると、観測開始当時から約4日も開花が早まっているそうです。
同気象台の統計を基にした推計では、盛岡の年平均気温が過去100年間で1.49度上昇。
同気象台の気象情報官は「1985年以降に早咲きの傾向が強くなっている。地球温暖化による気温上昇や、都市化が影響していると考えられる」と分析。
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は2007年、21世紀末には20世紀末より2.4〜6.4度気温が上昇すると予想。
地球上で最も明確に二酸化炭素量の増加傾向をとらえる南極・昭和基地では、1983年以降の二酸化炭素量が約40ppmも上昇するなど、地球温暖化ガスの増加が深刻化しています。
桜の早咲きなど県内の実態も踏まえ、岩手県地球温暖化防止活動推進センターは警鐘を鳴らす運動を展開。
地球温暖化防止活動として、冷暖房の温度設定や過剰包装の削減、環境に優しい自動車利用「エコドライブ」などを呼び掛けています。