地球温暖化の影響としてよくいわれるのは、海面の上昇です。
そのこと自体も深刻な問題ですが、実はそれだけが地球温暖化の影響ではありません。
健康への影響も大きいと指摘されています。
なかでも、マラリア、黄熱病などの熱帯性伝染病の流行、また高温に耐えられない高齢者の死亡、高温が持続することによる心臓病・呼吸器系の病気等が増えるだろうといわれているのです。
熱帯地方に多いマラリアという病気は、主にハマダラ蚊が媒介しています。
ハマダラ蚊が血を吸うときに、蚊の体内で増殖したマラリア原虫が人体に侵入。
地球温暖化によって、このハマダラ蚊の生息地域が北上し広がる心配があるのです。
旧環境庁も「地球温暖化が進むとともに、21世紀半ばには、西日本全体がマラリアの流行しやすい危険地域になる可能性がある」と警告しているほどです。
日本ばかりでなく、世界的にみても、これまでの温帯地域でマラリアの流行が起こるかもしれません。
平均気温3〜5度の上昇によって、5,000万〜8,000万人のマラリア罹患者が出るだろうという予測もあります。
黄熱病の流行も懸念されています。
黄熱病もネッタイシマ蚊という蚊が媒介しています。
地球温暖化は、現在の温帯地方でも、ネッタイシマ蚊が生息するようになる危険をはらんでいます。
その他、生育最適温度が37度というコレラ菌の脅威を説く研究者がいることも、忘れてはいけません。