1987年10月、モルジブ共和国のガユーム大統領は、国連総会で次のような意味の演説をしています。
地球温暖化は、我が国にとって重大な問題です。これによって、海面が上昇し、我が国の沿岸部は水没することが予想されます。地下水や河口には海水が入り込んで、塩害が広がります。洪水がたびたび起きて、農地や林が失われる心配もあります。「海岸に堤防を築けば」という意見もあると思いますが、それには莫大な費用がかかります。もし行うとすれば、国の予算を使い果たしてしまうことになるでしょう。今のままでは、私たちの国は、大洋の波間に消えていくしかないのです。
まさに、悲痛ともいえる叫びです。
特に最近は、地球温暖化の傾向がはっきりしてきています。
しかも、この地球温暖化によって、北極や南極の氷、あるいは山地の氷河などが解け、さらに海水の膨張などもあって、海面が上昇。
この海面上昇を心配しているのは、モルジブ共和国だけのことではありません。
インド西部にあるバングラデシュでは、海面が1メートル上昇すると、国土全体の18%が水没してしまうといわれています。
日本の場合も、1メートルの海面上昇で、現在の砂浜はほとんど無くなってしまうといわれています。
それほど地球温暖化は、深刻なのです。